
親御さんご自身が、笑顔になれる暮らしを目指しましょう。
自分ひとりで頑張らず、人の手や知識をどんどん借りましょう。
お悩みがありましたら、どうぞ気軽にご相談ください。
弁護士 紙子陽子さん(東京都ひとり親家庭支援センターはあと 「離婚前後の法律相談」相談員)
東京都ひとり親家庭支援センターでは、「離婚前後の法律相談」を平成28年度から開始。紙子さんは、家事事件(家庭に関する事件)に精通する弁護士としてこの事業の相談員をしており、ひとり親家庭それぞれの状況を把握しながら、法律的な助言を行っている。
Q1
どんな支援をされていますか?
離婚、親権、婚姻費用、養育費、面会交流、財産分与など、さまざまな離婚前後の家事事件のご相談を受けています。事件と聞くとびっくりしてしまうかもしれませんが、離婚前後の大変な渦中、ご本人だけではなかなか話し合いや取り決めがうまくいかないことがあると思います。ご相談者の立場に立って、またお子さんの福祉を考えて、適切なアドバイスをいたします。「東京都内在住の20歳未満の子供がいる母親または父親」「離婚前後の法律相談であること」という条件で、1時間程度の面接相談を3回まで無料でご相談いただけます。家事事件に精通する弁護士が、シフトを組んで担当しています。
Q2
どのような相談を受けることが多いですか?
「離婚をしたいがどのように進めていったらよいか」「養育費を求めたい」「面会交流ができていない」など、離婚前後の法律に関わる相談は多岐にわたります。多くの方は、弁護士への相談というと、敷居が高いと感じられるかもしれません。ですが、おひとりでは悩んだり行き詰まってしまうとき、弁護士に「ご本人とお子さんのために、現状をどう変えたいのか」をお話しいただけば、そのためにはどんな方法があるか、それぞれの方法のメリット・デメリット、見通しなどをご案内できます。見えてくる範囲が広がり、元気が出てくるかもしれません。弁護士へ相談することをあまり「大変なこと」と思わず、少し話を聞いてみようと、気軽に・早めに相談いただけたら嬉しいです。

Q3
ひとり親になる理由として、
離婚は大きな割合を占めると思いますが、
知ってほしいことなどはありますか?
離婚には、当人同士の話し合いで解決する「協議離婚」、家庭裁判所に調停を申し立て話し合いで解決を目指す「調停離婚」、調停で夫婦の合意ができない場合、家庭裁判所に離婚訴訟を提起することにより、判決にて離婚を成立させる「裁判離婚」等があります。いろいろな方法はありますが、離婚成立までには少なからず時間がかかります。ひとりで家事や子育てをし、あるいはお仕事もされている中で、離婚の手続を進めることは、本当に大変だと思います。 弁護士に事前に相談していただければ、その方のケースに合わせて法律の知識をお伝えし、「別居後の生活費(婚姻費用)分担を求める調停も起こしましょう」といったアドバイスもできます。日々余裕がなく迷っている方も、相談をきっかけに、ご自身やお子さんにとって何が幸せか、それを目指して今の何を変えていったらよいか、考える力が生まれます。あなたがお困りのことをどうしたらよいか、一緒に考えていけたらと思っています。
Q4
支援の受け方や相談をしたいと思っている人への
アドバイスをお願いします。

相談にいらっしゃる方は女性が多いのですが、ご相談を受けていると、家庭内に根強いジェンダーギャップ(男女格差)が多数あることを感じます。もちろん協力的なパートナーもいらっしゃると思いますが、「家事や育児は女性の仕事」とか「誰の稼ぎで生活できているんだ!」というような、バイアスにとらわれた非対等な力関係が、女性の力を奪ってしまっているケースが見受けられます。
また、男女問わず、「離婚をしたら子供がかわいそうだから」と我慢をされている方もいらっしゃるかもしれません。ですが、離婚をして生活が激変したとしても、殻を破ってみたら、前向きな変化が起こるかもしれません。お子さんのためにも、親御さんご自身が、笑顔になれる暮らしを目指しましょう。自分ひとりで頑張らず、人の手や知識をどんどん借りましょう。お悩みがありましたら、どうぞ気軽にご相談ください。
Q5
頑張っている
シングルママ・シングルパパに
エールを一言!

2021.03.26 up