
Let it be.
頑張らなくていい、ありのままで。
辛くなったら周りを頼ればいいんです。
K・Tさん
小学2年生の時、父が癌で亡くなり、現在、母と二人暮らしをするK・Tさん。
自分のやりたいことを、自由にやらせてくれた母に感謝しているそう。
Q1
ひとり親家庭になったときのことを
教えていただけますか?
小学2年生のときに父親が癌で亡くなりました。最初は実感がなかったのですが、いつまでたっても父が帰ってこないので本当に亡くなったのだなと分かるようになりました。学校の授業中にもこらえられずよく泣いていましたね。「お父さんが亡くなっても、ただ体がなくなっただけで、心にはいつもいるから。さみしくないよ。」 と母に言われたことがすごく印象的で記憶に残っています。その後、叔母の家の近所に引っ越しました。近くにいたほうが何かあったときに助けてくれるという理由だそうです。引っ越しに伴い、小学3年生になる前に転校もしました。当時は、母は色々な手続きに追われていて、すごく大変だったと思います。
Q2
今まで一番辛かったことは何ですか?
また、どうやって乗り越えましたか?
周りに「お父さんはお仕事、何しているんですか?」と聞かれたことです。その度に「お父さんは実はいないんです。」と説明するのが辛かったですが、父がいないことが自分にとって当たり前だと思うしかなかったです。 また、転校先の小学校で「転校生だから」という理由でいじめを受けていたこともありました。母親にいじめられたと相談したことがあり、母は「学校に行かなくても別にいいよ」と言ってくれたのですが、 仲の良い友達が2~3人いて、その友達と遊びたかったので、学校には行っていました。母親にはよく、「かぼちゃ畑にいると思えばいいんだよ。」と言われていました。 今思えば母親は自分が早く学校に慣れて、友達と仲良くなれるよういろいろな言葉で励まし、支えになってくれたのだと思っています。クラスのみんなも、だんだんと転校の理由等がわかってくるにつれていつの間にかいじめも消えていったように思います。

Q3
周りに支えられたなということはありますか?
いとこや叔父、叔母が近くに住んでいたこともあり、気持ちが落ち込んだりした時は、一緒に遊んでもらったり旅行にも連れて行ってもらいました。小学校でいじめにあって、辛かったときは、一緒に遊んでくれる人がいるだけで気持ちが楽になりました。また、母が近所の工場でフルタイムで働いていたため、放課後は学童保育で過ごしたのですが、学童保育の先生に良く相談にのってもらったことと、仲のいい友達も同じ学童保育にいたこともあり、楽しい思い出がいっぱいあります。最後に母が務めていた工場が年に数回、工場に近所の人を招待してお祭りを行っていたのですが、そこでは母の同僚の方にとても親切にされ可愛がってもらったのを覚えています。 今でも駅で会ったりすると「大きくなったね」なんて気さくに声をかけて下さる方がいっぱいいます。親戚、先生、母の同僚等の大人の方たちといじめはありましたが友達にもいろいろと支えてもらい、今好きな勉強が出来ているのだと思います。
Q4
親との関係で嬉しかったことや楽しかったことはありますか?

母は色々なところに私を連れて行きたいという気持ちがあったようで、旅行によく連れて行ってくれました。宮崎や京都などに行って、すごく楽しかったのを覚えています。あとは、やりたいことを自由にやらせてくれました。ピアノや習字、水泳など やりたいと言った習い事は全部させてくれました。また、今でも大学院まで進学させてくれて、好きなことを勉強させてもらっているので、とても感謝しています。
Q5
ひとり親の方やひとり親になる方への
メッセージやアドバイスを教えてください
ひとり親に対して負のイメージがある気がして…。よくひとり親だから大変だねとか、頑張ってと言われることがありますが、頑張らなくていいし、いつも通り、ありのままの感じでいればいいと思うんです。子供は親が落ち込んでいたり、参っているとき、すぐに気付くんです。時には頑張らなくてもいい。ため込まずに周りを頼って!
Q6
頑張っている
シングルママ・シングルパパに
エールを一言!

2021.10.14 up